日本では外国人が単純労働をするために来日することが基本的に認められていませんでしたが、各業界の人手不足が深刻化してきたため、様々な取り組みをしても人材の確保が困難な分野で即戦力となりうる外国人を導入できる制度です。
技能実習生を導入されたことがある経営者様から時々お聞きするのは、
「技能実習生にせっかく仕事を教えても、仕事を覚えてくれ、会社の戦力になる頃には、期間が満了して帰国してしまう」
同様の悩みを抱えていらっしゃる会社様は少なくないと感じます。
そんな時、人員強化の選択肢のひとつとして「特定技能」はいかがでしょうか。
特定技能には 1号 2号 の2種類ありますが、今回は適用分野が多く、導入しやすい1号について説明いたします。(※2023年11月現在の情報に基いております)
特定技能の主な特徴
・技能実習(2号)を良好に修了した外国人を、実習生→就労資格に変更して引き続き働いてもらえる
・他社で技能実習を修了した外国人でも、担当職務と同じ分野(業務区分)を修了していればよい
・1年 か 6か月 か 4か月 毎に在留期間の更新が必要で、通算5年まで働いてもらえる
・受け入れ人数の制限がない(建設・介護を除く)
・特定技能1号で働く外国人は基本的に家族帯同ができない
・出入国在留管理局での扱いは技能実習生に近いルールが多い
・申請時に提出する書類枚数が他の在留区分と比較して多い
受け入れ分野
・介護
・ビルクリーニング
・素形材産業
・産業機械生産業
・電気・電子情報関連産業
・建設
・造船・船用工業
・自動車整備
・航空
・宿泊
・農業
・漁業
・飲食料品製造業
・外食業
申請から許可が下りるまでの期間目安※
(※出入国在留管理局の混雑状況によって変動有ります)
・すでに日本に在留している外国人(技能実習生・留学生等)
→現在持っている在留資格を特定技能1号へ変更申請する…約1か月
・外国に居住していて日本の在留資格を持っていない外国人
(技能実習生2号を終え本国に帰国した人を再度呼び寄せる等)
→新規に在留資格認定証明書交付申請する…約3~4か月
本国に帰国した元技能実習生を日本へ呼び寄せる場合の注意点
技能実習生として日本へ来日した時に入管へ提出した履歴書の内容が、特定技能1号として本人の申告により用意した履歴書の内容と異なる場合は、許可が下りないことがあります。
特定技能は、申請に必要な書類が多く、確認しなければならない要件も多く面倒で大変な在留資格だと思われがちですが、国内で人材を募集するだけでは限界を感じていらっしゃる経営者の皆様には人材確保の選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。視野を広げることによって事業が発展する可能性が広がります。
身近に信頼できる行政書士や技能実習生が在籍している会社様なら、特定技能の登録支援機関を兼ねた監理団体の担当者にご相談してみてください。
当事務所でも、特定技能1号の申請に関するご相談や書類作成・申請のお手伝いが可能です。